センターニュース No.68

(発行・2009/5/10)「電話相談を受けて」より転載

ネットを利用した性犯罪

女性が気をつけていただけでは、性被害は防げないのでしょうか。残念ながら、それが現実ですが、例えば、ネットを利用した性犯罪などは、防げる被害の一つではないでしょうか。

 新聞報道によれば、女性たちが出会い系サイトで被害にあうケースが増えています。ネット上の出会いに女性がはまってしまうのは、普段の生活では、男性に注目されたり、直接交際を申し込まれることは特別なことですが、ネット上に登場したとたん、おびただしい数のアプローチが目の前に現れるからです。一躍、ヒロインになった気分になれるのです。また、メールのやりとりの中で、自分のことを心配してくれたり、理解のあるような言葉に心を動かされてしまうのです。男性の手口は巧妙です。女性の好きな話題を投げかけながら、次第に主導権を持ち、性的な話しへと誘い込みます。そしてヌード写真や個人的な性的情報まで入手していくのです。直接会いたいと言われ、出かけて行って被害にあった女性は、性行為を「強制された」のか「言われるままに」そうしたのか、自分でも明確に区別できにくいのです。

 男性に性的要求をされて、断れずに、後で被害にあったと感じる女性は少なくありません。計画的犯行がほとんどですが、男性はもともとセックスが目的なのですから、計画的という自覚はありません。ロマンスなど求めていないし、女性の気持ちはどうでもいいことなのです。一方、女性の方は、セックスはロマンスの延長上に置いていることが多いのです。ネット上のやり取りでコミュニケーションができていると錯覚していて警戒心が薄くなっている中で、ロマンスを求めてしまいます。

 男性の性的要求や行動が、自分の意思に反すると感じていたとしても、男性に主導権をとられているので、被害にあってしまうのです。 第一の防衛策は出会い系を利用しないことですが、相手のペースに巻き込まれないこと、二人きりの空間は避ける、途中で場所の変更(レストランをホテルに変えるなど)は危険なサインと察知してさっさと立ち去るなどの対策を実行していけば、防げることもあるのではないでしょうか。  

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