センターニュースNo.50

(発行・2002/8/15)「電話相談を受けて」より転載

センターの電話相談

センターの電話相談は、女性による女性のための電話相談です。
被害者にはいかなる責任(落ち度)もないという立場で話を聞きます。
 時々、相談者からここは何をしてくれるのかと聞かれることがあります。そのときは、話を聞き一緒に考えることができると伝えます。被害者は、自分の気持ちに沿って、何をするのも、しないのも自由であり、どちらを選んでも彼女自身の選択として尊重されるべきことです。
 何をしたいかがはっきりしている場合は、必要な情報を提供しながら一緒に具体的な方法を考えます。被害にあったら、何かしなくてはいけないのではないかと思ったり、周囲から、こうしたらいいとかこうすべきというアドバイスを受けて、そのことで悩んでいるような場合は、無理に何かをする必要はないことを伝えます。自分の気持ちを一番に考えることが大切です。何もしないのも、何かをするのも、どちらも同等の選択肢です。
 今はどうしたら良いかわからないとう場合もあります。そういうときは、話を聞き、そして、一緒に彼女がどうしたいかを探っていきます。センターの方から、こうしたほうがいいとか、こうしてあげると言うようなことはありません。話したいことを、話したいように話せることが大事です。どんな場合も、彼女本人が主体であり、彼女と同じ立場からその気持ちを支持し、支援するのがセンターの電話相談です。
 また、誰かに被害を話したとき、わかってもらえないことの苦しみを訴えられることがあります。強姦は、被害にあった個人の問題ではなく、女性への暴力が容認されているこの社会全体の問題ですが、周囲の人に限らず専門家と名乗る人たちでも、正しい理解がないこともあります。そういう場合は、適切な支援を受けられないばかりか、傷つけられる事態が起きてくるのも実情です。こういったとき、被害をわからない人にわからせようとするのをやめることで、楽になれるし自分を守れるということを伝えます。無理解は、被害者の問題や責任ではないのですから、そのことにエネルギーを傾ける必要はありません。

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